ニッポンの農を守り、ニッポンの食を創る。
「顔が見える農産物。」
その生産者たち。
「顔が見える農産物。生産流通推進協議会」では、
日本の農業を担うべく、
持続可能性に配慮した生産に取り組む
「顔が見える野菜。」「顔が見える果物。」の
生産者を支援するための
さまざまな活動を行っています。
最新の栽培技術や防除・施肥の情報、
売れ行き好調な品種や有望な新品種の紹介など、
専門家を招いて多彩な情報を提供するセミナーを開催します。
高い栽培技術や、農場を円滑に運営するマネジメントに長けた篤農家とのネットワークは何ものにも代えがたい宝です。
「顔が見える農産物。」の生産者が品目別、または地域別に横の繋がりを持つ交流会を開催していきます。
丹精込めて栽培している自分の農作物は、
バイヤーや消費者にどう評価されているのだろう?
それをしっかり受け止めていただくために、
協議会委員による食味試験を実施します。
その評価結果をみなさんの会員ページ(準備中)
からご覧いただけるようにしていきます。
色艶のために、
毎日茄子と茄子の間を歩く。
茄子と茄子でできた細い道を、手押し車を押して歩く。時々手を伸ばして、無造作に実をぎゅっと掴む。体が覚えているとはこのこと。
触って摘期を感じる。寒くさえ感じる朝もハウスの中は、汗ばむ暑さ。
受粉を行う蜂たちを想ってのことだ。収穫した茄子には温度変化を減らすために優しく毛布をかけてやる。まるで「よくがんばったな、ようやすめ」と声をかけるようだ。
どれだけ細やかに茄子のために働くか、それが収量だけではなく、茄子の色艶を決めるという。その色艶のために、毎日茄子と茄子の間を歩く。何本も続く道を行ったり来たり歩く。
西洋生まれ、日本育ち。
とろけるような果実の芳醇な香り。
野菜や果物も海の向こうの国のものと、この国で生まれ育ったものでは顔つきが違うように思う。洋ナシと言われればまだ親近感がわくが、ラとかフランスとかいわれると妙にお高く止まったよそ者のようにすら感じてしまう。
山形県上山市で迎えてくれたのは、これから収穫の山場を迎えるからか、きりりと緊張感をまとった日本の農家たちだった。聞けばラ・フランスは西洋発祥であるものの、生産の難しさや膨大な手間から、現地では作られなくなったという。年間通して木を管理し、実は計算し尽くされたタイミングで一気に捥ぐ。徹底した管理の元に追熟させ、あの溶けるような食感の香り豊かな甘い果実へと変わる。
太く苔むした幹、剪定の行き届いた枝葉、どっしりと太ったラ・フランス。丁寧に一つずつ捥ぐ農家の手。ラ・フランスは日本を代表する果物の顔つきであった。
太陽の恵みを受けて、
土の中で育つ。
遠く八甲田山を望む三沢の大地は、低い太陽に照らされて黄金色に輝いている。掘り出したばかりのごぼうは黒土を纏い、離れていても感じるほどの滋味を漂わせる。紅葉した長芋の葉は、収穫を前に最後まで土の中に日の恵みを送り続けている。
ごぼうも長芋も土の中に隠れて育つが、農家の長年の経験と、育て、大きくなれという念のようなもので太く、長く育っているように思う。長芋の試し堀りの日。シャベルを手にした男たちの表情は、どこか祭りの日のようであった。掘ってみなければわからない。他の畑よりも立派に育っているはずだ。もうすぐ収穫。今年も無事に育ってくれた。そんな思いが混ざり合う特別な瞬間である。
講堂に並んだ掘ったばかりの長芋の品評会。誰の芋が一番かよりも、農家の熱意が形になって並んでいると思うとなんだか楽しくなる。